川柳と習字を与那国島から

日本史と世界史を題材に最西端の島から!

秋蛍 58 ゼノン

昨日の町長選挙は残念ながら、応援していた友が落選しました。婦人部長の嫁さんはガックリしています。じっとしていると、なぜ負けたのか、堂々巡りで考えるので、日課があるのは助かります。

 「世界史1200人」58 ゼノン(キプロス前335〜前263)

哲学者でストア派の祖である。キプロス島出身で、商人の息子に生まれ育つ。22歳の時に乗っていた船が難破してアテナイにたどり着き、偶然立ち寄った本屋でクセノフォンの「ソクラテスの思い出」に感銘を受け、同地で哲学を学び彼自身の思想を確立するようになる。自然に従って生きるところに幸福があると説く。 最終的にはアテナイの彩色柱廊(ストア・ポイキレ)で講義を始めることになり、この場所の名前からストア派と呼ぶことになった。彼の最期は、ある日、学園から帰途につく際に、転倒しつま先の骨を折ってしまったが、ストア派の思想に従い、高齢である自分にとってはもう死ぬことが適当だろうと考え、「いま行くところだ! ・・・」と言って、自ら息を止めて死んでいったという。

「秋蛍尊厳死をと息を止め ゼノン に 端遊」

秋蛍が8月の季語です。晩夏、寂しく水辺や草むらで光っています。ゼノンの最期は尊厳死かな・・・ゼノンの思想は、資料が断片的なために、総合的な理解は困難となっています。しかし、自然学・論理学・倫理学という哲学の三分法を設定したこと、快や不快に対して心を奪われないことによって、心の平穏が獲得できるという、ストア派倫理学の基本軸を設定したことは、彼を起源とすることが妥当と考えられています。

習字は、「秋蛍」は弱々しく、「尊厳死をと」は意味不明な感じで、「息を止め」は意味のように、というつもりで書きました。


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