川柳と習字を与那国島から

日本史と世界史を題材に最西端の島から!

大豆 70 ティベリウス・グラックス

 朝、一人で海沿いをロングランして来ました。コロナのせいか選挙に負けたせいか、島の中が少し寂しく静かに感じます。

「世界史1200人」70 ティベリウスグラックス(前162〜前132)

ポエニ戦争後、ローマの護民官に選ばれる。過去数百年の間に戦争が何回も勃発し、軍団兵は戦争の期間に関わらず兵役を課せられていたので、自分達の農地を妻子に任せたままであった。多くの農地はうまくいかず上流階級に購入され、大規模農地経営が形成しつつあった。また土地によっては国によって徴用されるものもあり、大規模な農地・不動産が転売借用され、兵士たちが兵役を終えても行くところがなくなり、ローマへ赴き無産市民と化した。この無産市民の救済に着手する。ティベリウスは土地の所有が中小の自営農民ではなく、大土地所有者のもとに集まっており、彼等のもとで奴隷を使った農地経営を行なわれていることに気付き、「センプロニウス農地法」の提案を提出する。土地を失った退役兵を救済するものであり、元老院の反発を受けながらも民会により成立させた。

「大豆蒔け退役兵よ安心ぞ ティベリウス に 端遊」

大豆が8月の季語です。本当は8月は収穫期です。退役農民を救済したティベリウスに掛けました。彼は護民官の再選挙の日、外出を控えるよう説得する従者を「アフリカヌスの孫の私が、臆病者と罵られるわけにはいかない」と振り切り、投票所に行きました。しかし投票の最中に暴動が勃発し、暴徒によって護衛ともども殺され、その遺体はティベリス川に投げ込まれたといいます。

習字は、「大豆蒔け」は素朴に、「退役兵よ」は曲線的に、「安心じゃ」は隷書風に、というつもりで書きました。


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