川柳と習字を与那国島から

日本史と世界史を題材に最西端の島から!

切干 129 ピラト

 朝、一人で海沿いをロングランして来ました。島は秋らしい清々しい天気です。昨日、読み応えのある本を5冊も借りたので、今週と来週は読書がメインとなりそうです。

「世界史1200人」129 ポンティウス・ピラトゥス(ピラト 30頃)

ローマ帝国ユダヤの総督。ユダヤ教民衆の圧力に屈して、イエスに十字架刑を宣告した。ピラトの性格は「ガリラヤ人の血をガリラヤ人たちの捧げる生贄に混ぜた」など残虐であるが、イエスの裁判に臨んだ際には、全く違った様子を見せる。「ヨハネによる福音書」には、「十字架につけろ。」と叫ぶ人々に対し、「わたしはこの男に罪を見いだせない」と述べたとあり、イエスの無実すら明言する。 「マルコ・ヨハネによる福音書」には群集の要求にこたえてやむをえずイエスの処刑に踏み切ったとの記述がある。ピラトの動機には自分の政治生命を守ることがあり、ローマにユダヤの情勢が伝わらないようにしたいという願いがあったとされる。ピラトは手を洗って自分に責任がないことを示そうとしたが、無罪を知りながら、人々を満足させるために不当な死刑判決を認めたのであり、これを最も愚かなジェスチャーであるとも評されている。

「手を洗い知らん振りして切干に ピラト に 端遊」

切干が11月の季語です。大根の千切りを乾燥させた保存食です。後の歴史から千切りにされたピラトに掛けました。1961年、イタリア人考古学者が「ピラトの石碑」を発見しました。この碑文は、任期中に「知事」という職名が使われたことを示しています。また、ベツレヘム近郊で見つかっていた銅の指輪が、よく磨いてみると、ちょっとゆがんだ文字で「ピラトのもの」とあり、総督ピラトのものである可能性があるそうです。

習字は、「手を洗い」はそっと、「知らん振りして」は前半強と後半弱で、「切干に」は大胆に悲しいように、というつもりで書きました。


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